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「新規事業をやろう。そしてAIを使おう。」SPARK 2026 キックオフセミナー開催レポート

2026年7月3日、豊田市の新規事業創出プログラム「SPARK」のキックオフセミナーをオンラインで開催しました。顧客と向き合う新規事業の原則と、AIが変える事業開発の現在地をレポートします。

2026.07.13主催:豊田市 産業部 次世代産業課運営:株式会社アルファドライブ
AI時代の、新しい事業の作り方 キックオフセミナー開催レポート EVENT REPORT

2026年7月3日、豊田市が主催する新規事業創出プログラム「SPARK」のキックオフセミナーをオンラインで開催しました。

テーマは、「AI時代の、新しい事業の作り方」。講師に株式会社アルファドライブ 代表取締役兼CEOの麻生要一を迎え、変化の大きな時代になぜ新規事業が必要なのか、そしてAIの登場によって事業づくりがどう変わるのかを、約2時間にわたってお話ししました。

開催概要

開催日
2026年7月3日(金)
開催形式
オンライン
テーマ
AI時代の、新しい事業の作り方
講師
麻生 要一(株式会社アルファドライブ 代表取締役兼CEO)

「新規事業をやろう。そしてAIを使おう。」

セミナーの冒頭、麻生が示したメッセージは、驚くほどシンプルでした。

新規事業をやろう。そして、AIを使おう。

自動車産業の構造変化に、AIの急速な進展が重なるいま、これまでと同じものを、同じやり方でつくり続けるだけでは、同じ成果を得にくくなっています。だからこそ、既存事業を磨きながら、次の事業を生み出す活動を会社の日常にしていく必要がある。そんな問題提起から講演は始まりました。

新規事業は、会議室では完成しない

講演の前半で語られたのは、AIが登場しても変わらない新規事業の原則です。

既存事業では、社内で確認し、資料を整え、失敗を減らしてから動くことが成果につながります。しかし、まだ正解のない新規事業に同じ進め方を持ち込むと、顧客に会うまでの時間が長くなり、検証の回数が減ってしまいます。

大切なのは、最初から完成度の高いアイデアをつくることではありません。まず仮説を立て、顧客になり得る人に会い、得られた事実をもとに仮説を変え、もう一度会いに行く。その往復を重ねることです。

最初のアイデアは、検証の中で形を変えていきます。進んでいる実感が持てない時期もあります。それでも顧客と向き合い続けるうちに、点だった情報がつながり、事業の輪郭が見えてくる——。新規事業は「思いつきを当てる仕事」ではなく、顧客から得た事実を積み上げる仕事だと語られました。

AIで速くなっても、現場は飛ばせない

では、AIはこのプロセスをどう変えるのでしょうか。

AIを使えば、新しく挑む業界の基礎知識を学び、仮説を広げ、試作品や伝えるための素材をつくるまでの時間を大きく短縮できます。これまで多くの時間と人手が必要だった「考える」「調べる」「形にする」の一部を、短時間で進められるようになりました。

一方で、AIとの対話だけで顧客検証を終えることはできません。AIが得意なのは、世の中にすでにある情報を整理し、一定の答えを返すことです。その会社の工場で積み重ねてきた勘どころ、顧客との関係の中で初めて見える困りごと、言葉になっていない現場の工夫までは、AIの中にありません。

だからこそ、AIで準備を速くし、その分だけ早く、深く現場へ行く。AIがあるから顧客に会わなくてよくなるのではなく、より良い状態で顧客に会えるようになる。ここが、AI時代の事業づくりを考えるうえで重要なポイントです。

豊田のものづくりの現場に、次の事業の種がある

講演の終盤では、豊田市の企業だからこそ持っている強みにも話が及びました。

長年のものづくりを通じて培われた技術、品質へのこだわり、改善の知恵、現場でしか分からない感覚。これらは、一般的な情報を学習したAIが最初から持っているものではありません。

AIによって誰もが同じような情報やたたき台を得られる時代には、むしろ、その会社にしかない現場の知恵が差になります。自社の中では当たり前になっていることを掘り起こし、顧客の課題と結びつける。そのとき、ものづくりの現場に眠る知恵は、新しい事業を生み出す大きな力になります。

質疑応答では、実践に向けた質問が続々

質疑応答では、参加者から具体的な質問が寄せられました。

  • 既存業務と並行しながら、顧客検証の時間をどう確保するか
  • AIで代替できる検証と、実際に顧客へ会うべき検証をどう分けるか
  • 自社の製品や技術を、社会の変化や顧客課題とどう結びつけるか
  • 社内のセキュリティ制約がある中で、AIをどう活用していくか

どれも、実際に新規事業へ踏み出そうとすると直面する問いです。講演で全体像をつかみ、疑問を持ち帰り、実際に手を動かしながら自社なりの答えを見つけていく。そのための場が、今年のSPARKです。

学びを、自社の事業づくりへ

SPARKでは、このキックオフを皮切りに、9月まで全4回の基礎セミナーと、事業アイデアを考えるワークショップを開催します。さらに実践プログラムでは、専属メンターとともに約6ヶ月をかけ、顧客への検証を重ねながら、構想を事業計画へと磨いていきます。

「新規事業に興味はあるが、何から始めればよいか分からない」「自社の技術を、次の事業につなげたい」「AIを事業づくりにどう使えるのか試したい」。そんな段階からでも参加できます。

次は、あなたの会社のテーマで。セミナーへの参加、または事前相談から、最初の一歩を踏み出してみませんか。

次は、あなたの会社のテーマで。

セミナーは気になる回だけの参加も可能です。自社のテーマ選びや実践プログラムへの参加に迷っている方は、事前相談もご利用ください。