異業種"製造業"に飛び込んだからこそ見える視点で新しいチャレンジを続ける
SPARKに参加したアキタ株式会社の村本梓さんへ、製造業へのUターン、新しいチャレンジ、研修を通じて生まれた企業や豊田市とのつながりについて伺いました。
愛知県豊田市に本社を置く、自動車部品メーカーのアキタ株式会社(以下、アキタ)にて新しいチャレンジをされている村本梓様にインタビューをさせていただきました。大学卒業後は、EC業界・ITスタートアップ等で活躍されてきた村本様。なぜ製造業に飛び込むことになったのか、また、豊田市主催で開催された新規事業創出プログラム「SPARK」になぜ参加されたのか、どんな効果を感じられたのか伺いました。
再掲載について
本記事はSPARK参加企業へのインタビューを、2026年4月1日に再掲載したものです。記事内の役職や取り組みは取材当時の情報です。
目次
- Uターンとアキタ入社の背景
- 現在取り組もうとしている新規チャレンジ
- 繋がりが作れる研修だったからこそ得られたきっかけ
Uターンとアキタ入社の背景
ーー まず、村本さんの現在のお仕事について教えてください
大学卒業後は、東京でIT関連企業で営業やコンサルティングなどの業務に従事しました。様々なきっかけを経て、2021年に地元で祖父が経営しているアキタに入社しました。最初の1年は、この業界のヒトモノカネの流れを把握するため財務部で修行し、現在は自社工場のDX推進活動を担当しています。製造業という業界ではまだまだ初心者ですが、自分だからこそできることでこのまちに貢献していきたい!という気持ちで仕事に取り組んでいます。
ーー かなり強い想いを持ってUターンされたとのことですが、どんな背景があったのでしょうか?
一番大きなきっかけはコロナでしたね。祖父の工場で働く技能実習生がコロナの影響で働けなくなるかもと話を聞き、調べていくと技能実習制度の問題や、自動車業界における下請け・中小企業の課題や実情を知り、様々な現実に直面すると同時に、自分がいかに地元のことを知らなかったのか思い知らされました。
愛知県ってトヨタ自動車が有名だと思いますが、トヨタ自動車を支える製造業はBtoB事業者が多く、普段は名前を聞くことは少なくても、世界で戦える素晴らしい技術を持つ企業がたくさん存在しているんです!BtoB企業の中で働く人たちの中には当たり前に感じられている方も多いかもしれないですが、私は違う業界で働いていたからこそ、その凄さがわかると思うんです。一方で、ものづくりの業界では、元々いたIT業界では普通にできることが、実現できていない部分がまだまだあることにも気づき、自分のような人材はものづくり業界の強みや課題を発信していきながら、もっと多様に業界を変革できるのではと思いました。
当時勤めていた会社は大好きで尊敬できる人たちばかりで、いろいろなことに挑戦させてもらえる環境から離れることを非常に悩みました。ですが、自分のような立場だからこそ、このまちや業界の課題に対してやるべきことがあると使命感を強く感じたんです。だからこそ、好きな会社で学んだ経験を活かしながら、違う業界の課題解決に繋げることが、いつか会社への恩返しになれたらなという想いで、地元豊田市へUターンし、祖父の事業に参画することを決意しました。
現在取り組もうとしている新規チャレンジ
ーー 続いて現在取り組まれているチャレンジについて教えてください
製造業はどうしても華やかなイメージを持たれにくいですが、トヨタ自動車をはじめ、ものづくりの生産管理の仕組みは、学ぶことも多く、一方現場の工場はまだアナログな部分も多いので、日常業務のDXや成果の可視化など、業界に関わらず、改善のために自ら考え検証することが好きな人にとっては、やりがいある仕事が多いです!
別業界では当たり前に持ってるスキルは、こちら側が足りていない部分もあり、活躍できる場面が多いと思います。もちろん、何か新しいことやより良いものを創りたい!となると大変なことも多いですが、ものづくり業界って改善の余地がたくさんある、可能性しかない業界なんです。私自身、まだこの業界での歴は浅いですが、だからこそ製造業で働く人、取り組んでいる内容を製造業以外の場所に伝える、橋渡し役になることを目指しています。
現在は豊田市役所次世代産業課の皆様の協力を得ながらSENTANという、ものづくりイノベーション施設のコミュニティ構築や勉強会の開催などに関わらせていただいておりますが、絶対にこれだ!という回答にはまだ辿り着けておらず力不足なところが実情です。これからはその仲間づくりも含めて私自身はチャレンジの真っ只中だなと日々感じております。
ーー 新規事業創出プログラム「SPARK」への参加は、そのチャレンジを昇華させたいという想いからでしょうか?
想いを形にしたいという気持ちはもちろんですが、製造業という枠を超えて、豊田市の中で自分の取り組みや想いについて語り合える場になっていたというのも参加したいと感じた要因です。特に今進めているチャレンジ自体、より多くの人の声を聞き参考にしながら進める必要がある取り組みだったので、とても良い機会になりましたね。
繋がりが作れる研修だったからこそ得られたきっかけ
ーー 研修を通じてよかったことを教えてください
やはり、参加者同士はもちろん、豊田市の方々とも関係性を広げられたことが、とてもよかったです。研修の時間だけでなく、前後で交流の時間を確保いただいていたので、繋がりをより一層濃いものにできたのではと思います。また、研修自体でも、ヒアリングやプロトタイプについて実践的、具体的に学べたので研修を通じて繋がった方たちからスムーズに情報収集ができたように感じます。
ーー 研修をきっかけに、何か得られたことはありましたか
研修で出会った企業の方と仲良くなり、アキタのDX改革プロジェクトを進める準備が徐々に整ってきたことですかね。社内新規プロジェクトを進めるハードルが多く、どこから着手すれば良いかわからなかったのですが、研修を通じて知り合った企業の方に相談する中で何かできるかもという思いに。そしてアキタまでお越しいただき、主要メンバーとの協議をさせていただく中で、社内メンバーにも「これならできるかも」というチャレンジの機運が芽生え、このDX改革プロジェクトが着実に形になり始めてきました。
新しいことを豊田市でやりたい!という強い想いを持った方々と共に学び合い、深い繋がりを形成できたことで、その流れを自社内にも持ち込み、今までなかった社外交流や、外部の方たちからの知見をもとに、新しいことを学びながら改善にチャレンジしていける風土が生まれたことは、SPARKに参加したからこそ得られたものだと感じています。
